水茄子

夏野菜といえば、茄子、トマト、胡瓜、ピーマン等がその代表格。胡瓜はウリ科ですが、実はトマト、ピーマンは茄子と同じナス科に属しています。同じナス科でも、味も見た目も随分違いますが、それぞれ、夏を彩る野菜として楽しむことができます。茄子は昨今では、丸茄子、長茄子、米茄子、小茄子など多くの種類がありますが、その中でも、大阪は泉州特産の水茄子をご紹介します。
水茄子栽培の歴史は、江戸時代初期からとも言われ 大阪で昔から伝統的に生産されていた、なにわ野菜のひとつでもあります。昔から商業や海運が盛んであった大阪は、全国から様々な食材が集まり、独特の食文化が発達していったのです。なにわ野菜は現在では。毛馬胡瓜や大阪シロナなど、伝統野菜としての価値が見直され、生産されています。
皮は薄く実も柔らかい。アクが少なく甘みがあって生食でもおいしいです。やや長めの卵形で、何と言っても特徴的なのは、その名のとおり、ぎゅっと実を絞ってみると、果汁のように滴り落ちてくる程の水分。関西では、夏の漬物といえば、これと言われることが多い水茄子ですが、昔は夏の農作業時に、喉の渇きを潤す為にも食べられていたそうです。
これからの状況としては、5~6月まではハウスものが中心でしたが、7~8月頃からは露地ものがピークとなり、出来も順調です。夏の太陽をたくさんあびて育った水茄子は色鮮やかで、味も深みがあって濃いです。ぜひ、この時期に、なにわの伝統野菜の素材の味を味わってみてください。